第43章 最後の会議
柱合会議
産屋敷家の座敷で、陽華達三人は、正式にお館様を引き継いだ、産屋敷輝利哉とその兄妹、くいなとかなたの三人と向き合っていた。
輝利哉は三人を見回すと、鬼殺隊を統治するお館様として、言葉を発した。
「来てくれて、ありがとう。今日が最後の柱合会議だ。」
その言葉に、陽華達の表情にも少し緊張の色が浮かんだ。
「実弥、義勇、陽華。」
三人の名を呼ぶと、輝利哉は物静かに言葉を続けた。
「柱は三人だけになってしまったね。他の子供達も、大勢いなくなってしまった。……けれど、私達は鬼を滅ぼすことが出来た。」
そこまで言うと、輝利哉は小さく息を吐き出し、三人に微笑みかけた。
「鬼殺隊は、今日で解散する。」
「「「御意。」」」
陽華達三人が、同時に答える。
しかし陽華は、そう返事しながらも、輝利哉のその言葉を複雑な気持ちで聞いていた。
鬼殺隊が無くなるのは、この世から、鬼がいなくなったことを指すことで、嬉しいことなのに、やはり自分が長年所属していた組織が無くなるのは、寂しい物がある。
顔にそんな不安が出てたのを、汲み取ったのか、輝利哉の背後に控えた二人が、陽華達を労う言葉を続けた。
「長きに渡り、身命を賭して、」
「世の為人の為に戦って戴き、尽くして戴いたこと、」
そして最後に三人揃って、姿勢を正すと、
「産屋敷家一族一同、心より感謝申し上げます。」
そう言って、深々と頭を下げた。
「顔を上げてくださいませ!!」
「礼など、必要御座いません!鬼殺隊が鬼殺隊で在れたのは、産屋敷家の尽力が第一!」
義勇と実弥が、口々に言葉にする。
陽華は立ち上がり、お館様に近づくと、そっとその手を取った。
「そうですよ。私達が今もこうして、ここに居られるのは、道を示してくれた、産屋敷家の存在があったからこそ。礼を言わねばならないのは、私達の方です。」
そう言って陽華が微笑みかけると、輝利哉は唇を震わせて、陽華を見つめた。そんな輝利哉を労うように、義勇が言葉を続ける。