第42章 ※繋ぐ想い 後編
義勇の胸にもたれ掛かり、呼吸を整えた陽華は、そのまま義勇の身体に抱きついた。
「どうした?」
「…うん。好きだなぁって。」
「そうか、俺もだ。」
そう言って義勇は、陽華の頭を優しく撫でた。
その手の感触を、心地よく感じながら、陽華はいつまで、この幸せを感じることが出来るのかを考えていた。
あと数年。義勇と共に過ごせる時間。
意識が戻った時は、それでもいいと思えた。またこの人と共にいられることが、幸せだったから。
でも、今は……、
「…また、何を考えてる?」
最近、考えるように沈黙することが多くなった陽華を気遣い、義勇が声をかけた。
そんな義勇を陽華は上目遣いに見る。
「…最近、勘が鋭くなったんじゃない?」
誤魔化すように、陽華が問いかけると、義勇は苦笑いを浮かべた。
「どれだけお前と一緒にいると思っている。…でも、お前の方は少し…鈍くなったんじゃないか?」
義勇の言葉に、陽華が怪訝な表情を浮かべると、義勇はため息をつきながら、視線を下に落とした。
陽華も釣られて、義勇の視線の先を見た。そこには、ズボンの布地を押し上げて、苦しそうに主張する義勇のソレの姿があった。
「あ……ごめん。」
陽華が慌てて身体を起こす。
「義勇も今からしてあげるからね?」
そう言うと陽華は、義勇の上の衣服に手を掛けた。ボタンを一つづつ外していく。