第42章 ※繋ぐ想い 後編
「そう?じゃ反対に、罵ってあげようか?」
「それはそれで傷つく…。」
「ふふふ。じゃ、これからはその問題は、一緒に解決していこ?」
楽しそうに笑う陽華が可愛くて、抱きしめ返すと、柔らかな感触が身体に当たり、義勇の下半身が反応した。
触れるだけで満足だと言ってくれる恋人に対して、邪な気持ちが強くなっていく。その事に罪悪感を感じつつも、義勇も久しぶりすぎて、抑えきれそうになかった。
義勇は陽華に身体を擦り寄せると、耳元で囁いた。
「本当に済まないが、俺のは触れてるだけで満足とは、いかないみたいだ。」
「うん…わかってる。さっきから、お尻に当たってるもん。……一回、してあげようか?」
陽華が人差し指を唇に当てると、義勇は首は振った。
「いや、いい。今はお前と一つになりたい気持ちの方が強い。」
そう言うと義勇は片手を付いて、後ろに下がり、陽華をベッドに優しく寝かした。その上に覆いかぶさろうとする義勇を、陽華が止める。
「駄目だよ。義勇が上だと、義勇がキツイでしょ?」
「いや、これくらい大丈夫だ。」
要らぬ気を使う陽華に義勇が言った。確かに、片手の自分が上になるのは、バランスも悪いし、手も自由に使えない。しかし、下になってされるがままというのも、自尊心が傷つく。
そんな義勇の気持ちを知ってか知らずか、陽華が軽く考え込むように首を傾げた。
「んー、やっぱり今みたいな体制の方がいいのかな。」
陽華が思い付いたように、身体を起こした。