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【鬼滅の刃】水魚之交

第41章 繋ぐ想い 前編





「陽華、一つ相談なんだが、やはりあの家に大人三人は狭すぎるだろう。だからお館様に頼んで、もう少し広くすることにした。そうすれば、二人の時間も取れるだろう?」

「えぇ!?…別に私、あの小屋でもいいのに。」

陽華は残念そうに答えると、鱗滝は気まずそうに、小さく咳払いした。

「いや、遠回しに言ったが、はっきり言ってわしが耐えられん。お前達が目覚めてから、行動を共にしていが、お前達は二人の世界に入りすぎだ。」

「あ……すみません。」

陽華は素直に謝った。

「でもな、お前達が幸せそうなのを見るのはわしも嬉しい。だから、その邪魔をしたくはない。……いやしかし、義勇があんなに変わるとは、思っていなかったがな。」

「そうですか?師匠、子供の頃を思い出してください。本質は変わってないですよ。」

そう言われて、鱗滝は義勇の子供の頃を思い出した。

お姉ちゃん子で甘えん坊、天然で泣き虫。人を思いやる事ができる、優しい子。そんな自分を捨て、抑えてはいたが、本来の義勇はそんな子だった。

「…そうだったな。」

鱗滝は小さく頷くと、優しく笑った。







その後、鱗滝は陽華と軽く会話を交わし、忠告するように言った。

「では、また様子を見に来るが、無理はするな。安静にしてるんだぞ?」 

「師匠、もうそんなに子供じゃありません。」

陽華の言葉に鱗滝は笑うと、外したお面を再度付けて、その場を後にした。




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