• テキストサイズ

【鬼滅の刃】水魚之交

第38章 最終決戦 夜明け





炭治郎の背中からは、無惨と似たような触手が生えていた。その姿はもう人のそれとは異なり、炭治郎が、鬼そのものになった証だった。

そして禰豆子を噛んだ。もう人間の味を覚えてしまった。理性を取り戻すのは、難しいだろう。もう殺すしかない。

(…でも、どうやって?)

絶望する陽華の目に、必死に炭治郎を説得する禰豆子の姿が写る。禰豆子は諦めていない。

その禰豆子の姿を見て、陽華は気づいたように目を見開いた。

(…人間に戻る薬っ!)

しかしその薬は今、ここにない。作ってくれたあの珠世と言う鬼は、死んでしまった。

だが愈史郎なら、作れるかもしれない。

痛む身体を推し、陽華が身を起こし、炭治郎を見た。

鬼化したばかりの今なら、全員で掛かれば、炭治郎を拘束出来るかもしれない。そして、人間返りの薬が出来上がるのを待つ。それしかもう、炭治郎を救う方法がない。

そう考えていた陽華の横を、人影が通り過ぎた。



「カナヲ…?」



陽華が名前を呼ぶと、カナヲはゆっくりと振返った。



/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp