第38章 最終決戦 夜明け
地面が揺れるほどの、大歓声が聞こえる
ゆっくり呼び起こされる意識に陽華が小さく呻いた。
「………うぅ…。」
その声に気づいた村田が、驚きの表情でこちらを見た。
「…あ、陽華……おまえ…、」
村田は奇跡でも起きたかのように目を見開きながら、華子に近づくと、絞り出すように声を掛けた。
「生きてた…。俺…もう、だめだっ…て…、うっ…よかった。」
村田の目からは、涙が次々と溢れ出し、我慢できずに村田は手の甲で目を抑えた。その姿を見て、陽華も泣きながら嬉しそうに微笑んだ。
「生き返って、一番初めに見るのが…村田とは微妙だけど。本当、運命感じちゃう。…村田、ありがとう。」
「なんだよ、それ……。」
いつもと変わらない、陽華の皮肉めいた言い方に、言い返しながらも、村田は顔をくしゃくしゃに綻ばせた。
「ねぇ、村田?…無惨は?」
「この歓声、聞こえるだろ?倒したんだよ!!炭治郎たちが、鬼殺隊が……、」
その言葉に、陽華は安心したように息を吐いた。
「……よかったぁ。…ねぇ、義勇は?」
「無事だよ。…待ってろ!今、連れてきてやるから!!」
「うん。」
そう言って、村田は走り出した。