第37章 最終決戦 鬼の始祖 後編
投げ出された形の陽華は、地面に着地するが、反動で体制を崩し、グラッと蹌踉めいた。
その隙をついて、留めを指すための攻撃が陽華に集中する
「っ!!」
間に合わない。そう誰もが思った瞬間、陽華の唇が、僅かに微笑んだ。
ヒュンッ!!……グシャッーーー!
派手な音を立てて、陽華がいた場所が無数の触手に潰され、激しい砂煙が舞い上がった。
しかし次の瞬間、
ー 岩の呼吸 肆ノ型 流紋岩・速征
鈍い音を立てて、無惨の頭上部半分が吹き飛んだ。
陽華に注意が向かった隙を付き、行冥の鉄球が無惨の頭を掠め取ったのだ。
そしてそこに、間髪入れず、号令が掛かった。「今よっ!!」砂煙に巻かれていた陽華が叫んだ。
陽華の身体は善逸に抱えられ、攻撃された場所より、数メートルほど先にあった。
陽華の号令により、柱四人が同時に動いた。無惨の右横から、実弥が刀を振りかぶりながら、口元を緩めた。
(なるほどなァ、作戦通りじゃねェーか。)
実弥の脳裏に先程、陽華と会話した内容が浮かんできた。