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【鬼滅の刃】水魚之交

第36章 最終決戦 鬼の始祖 前編





村田に連れて行かれた先には、炭治郎が横たわっていて、隊服を来た吊り目の男の子に介抱されていた。陽華は炭治郎の傍に座り込むと、声を掛けた。

「炭治郎、炭治郎っ!」

炭治郎に反応はない。陽華は目の前の吊り目の隊員に声掛けた。

「どうなの、炭治郎の様子は?……あれ?あなた…鬼?」

「そうだ。」

その隊員が放つ気配と匂いで、陽華は鬼だと気づいた。そういえば、協力者の付き添いの鬼がいると聞いていた。この人があの便利な血鬼術の人だ。陽華は好奇心で、その鬼をまじまじと見つめた。その視線がうざいと思ったのか、その鬼は吊り上がった目を更に吊り上げて、陽華を睨んだ。

「なんなんだ、お前はっ!……ん?お前も無惨の毒にやられてるじゃないか、腕を貸せ。」

陽華の顔に現れた細胞破壊の痕を見て、その鬼が言った。陽華が言われるがまま、腕を差し出すと、鬼はその腕に注射器で何かの液体を注入した。

「なにこれ?」

初対面の鬼に得体の知れない物を注入されて、本当だったら全力で拒否するところだが、真剣な顔で、炭治郎の治療に当たっている姿を見ていたから信じられた。

「無惨の血によって、引き起こされる細胞破壊を止める血清だ。どうだ、少しは楽になったろ?」

「おおっ!!」

息苦しさも脈の不整も、激痛も格段に楽になった。陽華は感動で思わず声を上げた。

「私、氷渡陽華。あなた、名前は?」

「…愈史郎。」

「愈史郎君、ありがとう。これでまだ少し役に立てそう。」

そう言って陽華は、愈史郎に微笑み掛けた。


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