• テキストサイズ

【鬼滅の刃】水魚之交

第36章 最終決戦 鬼の始祖 前編





「遅れて、すまない。」

そう言って鬼殺隊最強の男、岩柱・悲鳴嶼行冥は、自信の武器である斧に、鎖で繋がれた鉄球をブンブンと振り回した。

その登場に気を取られた無惨を、今度は実弥が、背後から刀で縦に真っ二つにした。もちろんの直ぐ様再生されるが、実弥はさらに油を掛けて火を点けた。

さすがに燃やされるのは不快なのか、ずっと涼しい顔を崩さなかった無惨の顔が、怒りで歪んだ。

「小賢しい真似を!!」

「…テメェには、これくらいが似合いだぜェ。」

痛手にはならないだろうが、無惨の気分を害すことには成功したようだった。実弥は無惨から一定の距離を取ると刀を構え、そして無惨を睨み付けながら、吐き捨てるよう言った。

「ブチ殺してやる…この塵糞野郎!!」

この窮地に頼もしい仲間が来てくれた。陽華は顔を綻ばせながら、実弥に走りよった。

「実弥っ!!」

「陽華、待たせたなァ?」

「本当だよ。こんな大切な待ち合わせに遅れて来るなんて、私が彼女だったら、怒って別れてるところだよ!」

ボロボロな姿で、軽口を交えながら悪態を吐く陽華に、実弥は呆れたように微笑んだ。

「そりゃァ、すまなかったなァ。……だが、」

実弥は軽く謝ると、片手を上げた。それに反応して、陽華も片手を上げた。


パァンっ!


ぶつかり合った掌が、大きく音を立てる。

「こっから…反撃と行こうぜェ?」

そう言ってニヤッと微笑んだ実弥に、陽華も微笑み返した。


/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp