第36章 最終決戦 鬼の始祖 前編
「やめてっ!!…私たちは…大丈夫だから…っ!」
陽華は立ち上がり、切り刻まれて絶命している隊員に、追い討ちを掛けるように襲いかかる無惨の触手を斬りつけた。
「もういい加減にしなさいよ、糞野郎!」
陽華が怒りに無惨を睨み付けた。
そんな陽華を無惨は一瞥すると、足元に無数に転がる死体に目をやり、静かに言葉を吐き出した。
「即死できた者は幸運だ。即死出来なくとも、私に傷をつけられた者は終わる。…あれを見るがいい。」
そういって促された視線の先には、激しく苦しみ悶え、顔が異形した炭治郎が横たわっていた。
「っ!?」
全員に緊張が走った。
「私の攻撃には私自身の血を混ぜる。鬼にはしない。大量の血だ。猛毒と同じで、細胞を破壊して死に至らしめる。」
無惨はそこまで言うと陽華達に向き直り、冷たくいい放った。
「竈門炭治郎は死んだ。」