第36章 最終決戦 鬼の始祖 前編
大きな衝撃の後、陽華が目を開けると、そこには夜空が広がっていた。
「……外に…出た?」
陽華は我に返って、直ぐ様起き上がった。辺りを見渡すと、他の仲間は瓦礫に埋もれてはいたが、どうやら無事なようだ。
「陽華、無事か?」
近くの瓦礫から起き上がった義勇が陽華に声を掛けた。
「なんとか、大丈夫。……ていうか、ここって市街地!?」
「そのようだな。」
義勇は頷きながら、辺りを見渡した。
陽華の顔に焦りの浮かんだ。最初にいた鬼殺隊本部から、かなり離れている。本部の敷地内に出たなら問題なかったが、ここでは犠牲者が出る。
しかし辺りを見渡すと人気はないようだった。まだ早朝だからだろうか?陽華はホッと息を吐いた。
その時、空を舞う鴉が時間を告げた。
「カアァァァ!一時間半、夜明ケマデ一時間半!!」
(…そんなにまだあるの?……そういえば、無惨はどこ?)
陽華は周りを見渡した。