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【鬼滅の刃】水魚之交

第36章 最終決戦 鬼の始祖 前編





それとは別に陽華の胸に、もう一つの不安が過る。その不安を見透かすように、無惨が口を開いた。

「時間稼ぎ…夜明けまでか?…光届かぬ、この城の中で。」

確かにその通りだった。この空間で無惨を引き留めることは余りに無意味。しかしこんなにも防戦一方では、外に連れ出す術も思い付かない。

やはり、ここに連れて来られる前に考えていた通り、この空間を造り出している鬼を、先に退治するべきだった。


陽華の背中に冷たい汗が流れ落ちた。


この空間を造っている鬼。先程から鳴り響いている琵琶の音色と鴉の情報から、恐らく小芭内達が交戦中の相手・上弦の肆だろうと陽華は考えていた。

小芭内達が首尾よく仕留めてくれれば、その問題は解決する。

しかし、次に無惨から発せられた言葉で、陽華は絶望に落とされた。


「…柱四人で、それは可能なのか?」

「!?」

「縞の羽織の柱と、もう一人の女の柱は、すでに私の部下が殺したようだぞ?」

「…そんなっ!」


陽華の悲痛な叫びとともに、義勇と炭治郎の表情にも動揺が走った。

衝撃を受ける陽華の頭の中に、蜜璃のあの可愛い笑顔と、小芭内の嫌味ったらしい顔が浮かんだ。



(…蜜璃、小芭内…、)


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