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【鬼滅の刃】水魚之交

第5章 蟲柱




任務はたいしたことなかった。山に巣食う鬼は何匹かいたがどれも雑魚鬼で、義勇としのぶにあっと言う間に殲滅された。

それでも、事後処理部隊・隠への指示出しや、後処理などで昼前までかかった。

義勇は「後は任せる」と隠に任せて、その場を離れようとした。すると何処からともなくしのぶが現れて、義勇の羽織を掴んだ。

「冨岡さん、どこに行くんですか?ちょっと面、貸して貰えますよね?」

そして義勇はほぼ拘束ぎみに、近くの町に連行され、落ち着いて話せそうな定食屋の一角に座らされた。



「ぶっちゃけますと、あなたのことなど、どうでもいいのですよ、私は。」

注文も終え、出されたお茶をずずーっと啜ると、しのぶは開口一番に言った。

「あなたがどのような気持ちで、陽華とお付き合いを始めたのかは知りませんし、興味もないです。」

いつも笑顔を浮かべているしのぶだが、きょうばかりは目が笑っていなかった。

「でも、一度決めたことなら、それなりの筋を通して頂かないと。」

義勇が無口のままだから、しのぶだけが喋り続ける。

「だいたいあなたは…、」

「胡蝶、酔っているのか?」

あまりにも長い説教が、酔っぱらいの絡みのように見えて、義勇は思わず突っ込んでしまった。

「酔っているように見えるなら、とんだバカ野郎ですよ。」

と、しのぶは眉毛をピクピクさせながら、義勇を笑顔で睨み付けた。

そこに頼んだ鮭大根が届いた。とたんに義勇の顔が笑顔で包まれたため、説教は一時中断となった。しのぶは前に一度その姿を見ていたのでドン引きせずに済んだ。

「冨岡さん、口の回りにご飯粒たくさん着いてますけど。」

「最後に拭くから問題ない。」

しのぶの心に、なぜ私の親友はこの人が良かったんだろう?と言う疑問が沸いた。



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