• テキストサイズ

【鬼滅の刃】水魚之交

第35章 最終決戦 邂逅





「きぶ…つ…じ?」

目の前に突然現れた無惨のその姿に、陽華は一瞬戸惑った。匂いも顔も間違いなく無惨だが、産屋敷邸の爆発の中で見た姿とはだいぶ異なっていたからだ。

しのぶ達の薬の効果なのか、それとももう人間に擬態することさえも必要ないと判断したのか、その姿は醜悪な鬼そのものだった。

そしてそれを鬼舞辻無惨と認識した時、炭治郎の心拍数が激しく上がった。今にも斬りかからんとする炭治郎を鎮めるように、義勇が声を掛けた。

「炭治郎、落ち着け。………落ち着け、」

しかし義勇自身が今にも爆発しそうな殺気を放っていて、それはまるで、自分自身に言い聞かせているようにも見えた。



無惨は突然現れた陽華達を一瞥すると、ゆっくりと口を開いた。



「しつこい。」




開口一番、無惨はそう呟いた。

「お前たちは本当にしつこい。飽き飽きする。心底うんざりした。口を開けば、親の仇、子の仇、兄弟の仇と、馬鹿の一つの覚え…、」



無表情で淡々と話す無惨が、何を言っているのか、陽華には一つも理解が出来なかった。




ー 全てを忘れて、普通に暮らせ?



/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp