第35章 最終決戦 邂逅
陽華の脳裏に色んな記憶が過った。
家族を失って…愛する者、大切な人を失った。昨日まで隣で一緒にご飯を食べていた仲間が、笑いあった仲間が次の日にはいなくなった。
(しのぶ、杏寿郎…むいくん、玄弥、………錆兎。)
「…なぜ、お前達はそうしない?理由は一つ。鬼狩りは異常者の集まりだからだ。異常者の相手は疲れた。いい加減終わりにしたいのは、私の方だ。」
心底呆れた果てたように、無惨が言い放った。
「無惨……おまえは、存在してはいけない生き物だ。」
炭治郎が静かにそう呟いた。陽華はそれに同意するように頷いた。
「……………そうよ。」
声が震えた。こんなにも他者に対して、強い不快感と全身が震えるような激しい憎悪を抱いたのは初めてだった。
陽華は無惨を睨み付けると、言葉を続けた。
「……異常者?異常者はあんたの方でしょ。結局あんたは自分以外、誰も愛したことないんでしょ?…だから、私達の気持ちがわからないのよ。そんな奴に、愛する人達を想って命を掛けた仲間達を…、私達の生き方を…否定されたくない!」
陽華達は一斉に刀を構えた。
ー 今宵、全てを終わらせる。無惨が否定した想いの力で!
ー 最終決戦 邂逅 完