第35章 最終決戦 邂逅
陽華が曲がり角を曲がると、向こうから来た人物とぶつかりそうになった。
「義勇っ!!」
「陽華!?」
その人物は義勇だった。後ろには炭治郎もいた。陽華はボロボロだけど無事なその姿に安堵し、義勇に触れようと腕を伸ばした。
「無事でよかった…。」
「陽華さん!」
義勇の後ろに着いていた炭治郎が陽華の元に駆け寄った。
「炭治郎!」
「ご無事で何よりです。あの…伊之助とカナヲは?」
「伊之助とカナヲは無事よ。まだ動けそうにないみたいだから、置いてき、…きゃっ!」
陽華が最後まで言う前に、義勇が陽華の腕を掴んで引き寄せたかと思うと、いきなり思いっ切り抱き締めた。
「義勇、痛いっ!…傷口がっ…、」
いきなり抱き締められ、あたふたとする陽華の耳元で、本当に安心したかのように義勇が小さく囁いた。
「本当に無事で良かった。」
「…義勇、」
義勇は陽華を顔を嬉しそうに見詰めると、いきなりその唇を自分の唇で塞いだ。
「んっ…ぎゆ…、んぅ…!」
義勇に拘束され、身動きも取れない状態でジタバタする陽華に、義勇はそのまま熱烈な口づけを浴びせ続けた。
その光景を横で一部始終見ていた炭治郎は、顔を真っ赤にして慌てて叫んだ。
「義勇さんっ!今はそんなことしてる場合じゃ…、」
そう言いながらも、見ないように顔を手で覆い、顔を背けた。