第35章 最終決戦 邂逅
陽華は隊服を着直すと立ち上がった。失血のせいで少しフラッとしたが、とりあえずは動けそうだった。
「カナヲ、伊之助!私はもう行くけど、二人はもう少し休んで行きなさい。」
「ふざけんなっ、俺だってもう行けるわっ!…ん"っ!」
そう言って、意気揚々と立ち上がった伊之助だったが、その瞬間痛みが走ったのだろう。身体を硬直させ、ブルブルと震えた。
陽華は、そんな伊之助を呆れた顔で見ながら微笑むとこう言った。
「そう。だったらカナヲの事をお願いするわ。カナヲはもう少し休んでいたいって、ねぇカナヲ?」
「あ…、はいっ!」
陽華の意図を感じ取ったカナヲが、同意するように頷いた。伊之助は「しょうがねぇーな。」と呟くと、カナヲの隣に座り込んだ。
そんな二人の姿を確認すると、陽華は部屋を飛び出した。