第34章 最終決戦 上弦の弐
「地獄がねぇなら、俺が作ってや"る"ァ"ア!!ごちゃくそ、うるせぇんだ!テメェはァァ!!」
伊之助が童磨に向かって走り出した。陽華は伊之助を止めようと叫んだ。
「伊之助、落ち着きなさいっ!」
しかし伊之助は止まらなかった。仕方なく、陽華とカナヲも攻撃に出る。
しかしその攻撃は、童磨に弄ばれるようにかわされた。次の瞬間童磨は、手が届かないほど、大きく飛び上がった。
「おりて来い、テメェこら"ァ!ビビッってんのか、ゴラァ!」
伊之助の挑発にも乗らず、童磨は涼しげな顔で答えた。
「ごめんねぇ?猗窩座殿がやられちゃって、時間もないから…、君たちの相手はこの子にして貰うよ。」
そう言って童磨の扇から現れた、小さな童磨の化身のような氷人形。小さな身体とは裏腹に強力な技を次々と放ってくる。
「この子、俺と同じくらいの強さの技が出せるんだ。あとはまかせるね?」
(相変わらず、逃げるためだけの技ばかり…。このままだと逃がしちゃう。…まだ?まだなの?)
奴に近づいて、時間を稼ぐだけでいい。陽華は小さな氷の人形達の攻撃を掻い潜って、童磨に近づく。しかし、一匹の氷人形が放った蔓が陽華の足を絡めとり、陽華はそこに拘束された。
「あぁ、もう!」