第34章 最終決戦 上弦の弐
(違う…私はただの半端者だ。)
柱になれたのだって、たまたま運良く十二鬼月を倒せたからだった。
もちろん柱の名に恥じぬよう、努力はした。時間があれば、義勇に手合わせを願い、師匠の家にも何度も行った。
そのおかげで下弦くらいなら、倒せるくらいになったけど、柱の中でも実力は下の方。
男達にはもちろん敵わないし、しのぶのように鬼に効く毒が作れたり、速いわけじゃない。そして、蜜漓のように超人的な力があるわけでもない。
義勇のことウジウジしてる。なんて怒っちゃったけど、私の方こそ、本当は柱に相応しくない。
ずっと色んな人に守られてきた。家族を失った時だって、修行の時だって、選抜の時だって。
…オマケで受かったくせに、鬼殺隊に入るべきじゃなかったんだ。
そんな私が柱を名乗るなんて、おこがましいことだったんだ。
しのぶ、ごめんね。貴方に頼らなくちゃいけなくなって…。
年下なのにしっかりしてて、私はいつも心配ばかり掛けてた。
あの時だって、私がもっと強かったら…もっとしっかりしてたら、貴方を止められたのに…。