第33章 最終決戦 序
集まった柱達が一斉に呼吸を整え、各々の技の型に、刀を構えた。
ー 氷の呼吸・肆の型
全員が技を放つ寸前、微かに無惨が笑ったように、陽華には見えた。
何かある?そう思った瞬間、足元の空間が揺らぎ、無数の扉が出現した。突然、足場を失い、全員が体勢を崩す。
落ちるっ!
陽華がそう身構えた瞬間、無惨が嘲笑うように言葉を発した。
「これで私を追い詰めたつもりか?貴様らがこれから行くのは地獄だ!!目障りな鬼狩り共、今宵皆殺しにしてやろう!」
全員が突然の現れた扉の中に吸い込まれるように落ちていく中、炭治郎が無惨に向かって吠えた。
「地獄に行くのはお前だ、無惨っ!絶対に逃がさない、必ず倒す!」
「やってみろ、できるものなら。竈門炭治郎!!」
遠ざかっていく無惨の声を聞きながら、陽華は、目の前にいたのに何も出来なかった歯痒さと、今までの出来事が脳裏を過り、身体が熱くなってくるのを抑えきれなかった。
ー 今夜こそ必ず、この悲しみの連鎖に終止符を打つ