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【鬼滅の刃】水魚之交

第33章 最終決戦 序





ー 数年前




鬼殺隊本部、産屋敷邸。


お館様直々の伝令により、陽華は初めて鬼殺隊の元締めの屋敷に訪れていた。

綺麗に整えられたお庭で、陽華はお館様のお出ましを今か今かと待ちわびていた。緊張の余り、握った手には汗が溜まり、身体が震えていた。

(義勇も緊張したのかな?)

そんなことを思っていたら、突如現れた二人の白い童子が号令を掛けた。


「お館様のお成りです。」


その声は静かな邸内に響き、陽華は慌てて頭を下げて、その時を待った。暫くすると、目の前に人の気配を感じた。

「陽華、よく来たね。」

頭に響く、優しく心地よい話し声。

「は、はじめましてっ、氷渡陽華と申します。今日は…、」

「そんな畏まらなくても大丈夫だよ。顔を上げなさい。」

お館様のそう言われ、陽華が恐る恐る顔を上げると、そこにいたのは年の頃も陽華とそんなに変わらないだろう、優しい顔立ちの青年が立っていた。
整った顔立ちに、優しい目元。難を言うなら頭から目元までを覆う、浅黒い痣の存在だろうか。


聞いたことがあった。鬼殺隊の歴史をいろいろと調べているうちに知った、産屋敷家に伝わる呪いと言える運命のことを。


そんなことを考え、ポカンとする陽華にお館様は優しく微笑み掛けると言葉を続けた。


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