第31章 ※媚薬
開き直って言う義勇に、陽華は言葉を失って、黙り込んだ。その時だった。
「……っ!?」
突然、義勇が苦悶の表情を浮かべて呻いた。
「義勇、大丈夫!?」
陽華が慌てて、義勇を支えた。
「さ…触るな…。どうやら…うっ、薬が完全に身体に…回ったらしい。」
身体中が燃えるように熱い。鼓動が早くなり、息も苦しかった。そして何よりも、今まで感じたことのない、激しい疼きを下半身に感じ、義勇は苦しそうに身体を折り曲げた。
「ごめんね、義勇。私がこんなの飲ませたから…、」
義勇は、心配そうに声を掛けてきた陽華の腕を掴むと、熱で霞んだ瞳で睨み付けた。
「陽華、…責任は…取ってくれるのか?」
「義勇…、目が怖いよ?」
「薬のせいだ。…くっ…もうだめだ…。」
義勇は息を乱しながら、熱を帯びた瞳で、陽華を見つめた。
「今日はたぶん、優しくも手加減も出来そうにない…。」
「…義勇、ま、待って…、(きゃー、なんて顔するのよ、直視出来ない…。)」
義勇は、恥ずかしそうに顔を背ける陽華の身体を、ひょいと抱き抱えて、布団に寝かせると、覆い被さってきた。
「ま、まって、義勇!その状態じゃ、もうきついでしょ?とりあえず、口でしてあげる!」
このままでは自分の身体が危うい、そう感じた陽華は、まず一回落ち着かせようと、義勇にそう提案した。義勇自身もそれが最善だと考えたのか、コクりと頷いた。