第30章 ※お仕置き
義勇は落ち着かせるため、小さく深呼吸すると、ポツリと喋りだした。
「怒ってる訳じゃない…、ただ俺の中で、整理が着かない感情がある。それは俺の問題だ。」
(……出た。)
どこかで聞いたことのある言葉。だが、何も言えずに、義勇の答えをただ待ってた時の自分とは、もう違う。陽華は起き上がり、義勇に近づくとその手を握った。
「私に関係することなら、一緒に解決したい。義勇、話して?」
義勇は陽華の目を見ると、意を決したように、陽華の手を握り返した。
「承知した。」
義勇はそう言うと陽華に向かい、姿勢を正した。その姿に、陽華も慌てて姿勢を正し直した。
陽華は義勇の真剣な顔に、何を話すのかと、ドキドキしながら言葉を待った。しばらくすると、義勇は静かに言葉を発した。
「おまえ今日、不死川と歩いていたな。」
まったく予想していなかった切り出しに、陽華は思わず、
「え?」
と答えた。