第22章 柱合会議
すると突然、陽華の体がフワッと揺れた。隣に座った実弥が陽華の肩を抱き、自分の方に引き寄せたからだった。
実弥の分厚い胸板に顔を埋める形になり、陽華は慌てた。
「さね…っ!は、はだかっ!」
陽華は一気に顔が熱くなるのを感じ、急いで実弥を引き剥がした。
「ンだよっ!泣くなら、胸貸してやろうと思っただけだろっ!」
「でも、裸はないでしょ!しかも冷たいし!」
「しょうがねェだろ!冷てェー川に落ちたんだからっ!」
そのまま二人は目を合わせたまま、見つめあっていたが、突然同時に吹き出した。
「ぷっ!あは、あはは!」
二人は暫く笑いあったのち、落ち着いた実弥が陽華に悪態を着いた。
「人が珍しく、らしくねェ事してやったのに、キレるたァ、どういう了見だァ!」
「らしくない事はするなってことよ。」
「ま、そうだな。でも…元気出たじゃねェか。」
その言葉に陽華は驚いた顔を見せた。
「あっ、ほんとだ。」
「お前も、らしくないことはするなってことだよ。しょげてるお前は、お前じゃねェーよ。笑ってる方が安心すらァ。」
「ご心配お掛けしました。」
陽華は、そう言うと実弥に向かってペコリと頭を下げた。