第22章 柱合会議
「…ねぇ、実弥。乙女の前で褌一丁はなくない?」
気がついたら実弥は全ての衣服を脱ぎさり、褌のみで焚き火の前に立っていた。
「鬼殺隊は男所帯なんだから、こんなの見慣れてんだろォ?」
「そういう問題じゃないのっ!」
と、陽華が実弥に向かって木の枝を投げつけた。木の枝は実弥にぶつからず、手前で落ちた。
「荒れてんなァ…。何があったんだ?」
実弥が落ちた枝を拾い上げ、焚き火に投げ入れながら問いかけた。陽華は黙ったまま、燃え盛る焚き火を見つめていた。
「…冨岡かァ?」
「…っ!」
ドンピシャで言い当てられ、何か反論しようにも出来ず、陽華は言葉を飲み込んだ。
「もう、やめろ。」
陽華の反応を見て、全てを悟ったかのように実弥が吐き捨てる。
「見てらんねェんだよ。あいつが問題発言する度によォ、必死に擁護するおまえの姿。」
「別に必死になんて…、」
「一人でいたいって言うなら、一人にしてやりゃァーいいだろ。逐一構ってやるから、調子乗るんじゃねェーのか?」
「だからっ!一人にしてやったわよっ!」
「アァ?」
「別れたのっ!」
「…そうかよ。だったら、すっきりして良かったんじゃねーのかァ?何で荒れてんだよ。」
陽華は抱えた膝小僧に顔を埋めて、今にも泣きそうな小さい声で言った。
「本当に好きだったから…。」