第22章 柱合会議
長いこと走った。どこをどう走ったかわからない。でも、義勇から少しでも離れたかった。気がついたら、川の流れる開けた場所に来ていた。
「あれ、ここどこ?」
陽華は涙でグショグショになった目で辺りを見回した。たまにしか来ない鬼殺隊本部は広大な土地。知らないところも多かった。
まずい、迷子になった。
そんなこと思っていたら、川の方からバシャバシャと音がした。陽華が音の方に振り向くと、川の中からなにかが現れた。
「きゃー!!」
「うあっ!」
びっくりして叫び声を上げると、何かの方もびっくりして叫び声を上げた。よく見ると、飛び出した何かは、風柱・不死川実弥だった。
「実弥!びっくりさせないでよっ!」
「びっくりしたのは、こっちの方だァ!!」
実弥はそう怒鳴り返した後、陽華の顔を見て怪訝な表情を見せた。
「おまっ…、泣いてんのか?」
実弥の問いかけに、陽華は急いで目を擦ると、
「泣いてないわよ!!」
と、足早にその場から離れようとした。その手首を実弥が捕まえた。
「まてよ。いいから、そこ座れェ。」