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【鬼滅の刃】水魚之交

第16章 ※初恋





「まずいな。雨が降るかもしれない。」

急激な温度変化と、辺りを漂う湿っぽい空気に、義勇は顔をしかめながら、ゆっくりと起き上がった。

「大丈夫?」

陽華が慌てて義勇の背中を支えた。

「うん。痛みはだいぶ引いた。どこか、雨をしのげる場所を探そう。肩を貸してくれるか?」

そう言って、陽華の肩を借りて、義勇と陽華は歩きだした。少し歩くと、切り立った崖の下に洞窟のような窪みを見つけ、二人はそこに腰を落ち着けた。

雨が降る前に、ここを見つけられてよかった。だが、雨が降り始めると急激に温度が下がり、陽華は小さく震え出した。

「陽華、こっちにおいで。」

義勇は陽華を呼ぶと、自分の足の間に座らせ、後ろからギュッと抱き締めた。

「っ!!」

「ほら、こうすると暖かいだろ?俺の姉さんがよく、寒い日はこうして暖めてくれたんだ。」

その瞬間、陽華は心臓がトクンッと波打つのを感じた。

どんどんと鼓動が早くなっていく。顔が熱くなるのを感じて、陽華は自分の膝に顔を埋めて隠した。

(あれ?…胸が苦しい。私、どうしたんだろう?)

今まで感じたことのない胸の高鳴りに、陽華は心臓の音が聞こえないか、気が気ではなかった。

しかししばらくすると、義勇の心地よい体温を感じ、疲れもあったせいか、うとうとし始めた。

そのまま二人は、寄り添いながら眠りに落ちた。



起きたときには、目の前に鱗滝と錆兎の姿があった。



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