第13章 ※潜入任務
任務が終了し、本部へと帰った陽華達は、お舘様の屋敷に報告に訪れていた。
「と、報告は以上です。」
陽華が報告を終えると、お舘様・産屋敷耀也は満足そうに微笑んだ。
「うん、ご苦労様。あの男の処遇は私に任せていいよ。また一人、社会のゴミを抹消出来てよかった。あの男は巧妙に裏の姿を隠していてね。政府も手が出せなかったんだ。今回の出来事でようやく政府も重い腰を上げてくれたよ。」
「もしかして、お舘様?…それを含めて、私たちに任務に行かせました?」
「いや、あくまでも鬼退治が優先だよ。ただ、あの男はやり過ぎたんだ。男に意義を唱える者達が次々と消えてね、鬼の関与が疑われた。そこで私たちに白羽の矢が立ったと言うわけだ。」
お舘様はそこまで言うと、二人に柔らかい微笑みを向けた。
「もちろん、君たちの活躍を期待しなかったわけじゃないけどね。」
お舘様の言葉を、義勇は涼しい顔で聞いていたが、陽華は「やっぱりー!」と声を上げた。陽華の言葉にお舘様は小さく笑うと、視線を二人に戻した。
「とにかく、お疲れ様。陽華はもう下がっていいよ。義勇、君は申し訳ないけど、次の任務だ。」
お舘様の言葉に、義勇は静かに「御意。」と答えた。陽華はお舘様に丁寧に挨拶を述べると、義勇に小さく手を降り、その場を後にした。