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【鬼滅の刃】水魚之交

第13章 ※潜入任務





義勇がその一番奥にあった扉をそっと開けると、中から泣き叫ぶような声が聞こえた。

「いやっ!助けてっ!」

そして、高らかに笑う下品な男の声が聞こえた。

「もっと泣き叫べ!俺は恐怖に歪む顔が大好きなんだ!」

男は興奮したように鼻息を荒くすると、さらに言葉を続けた。

「恐怖に歪んだ顔が絶命していく様は、本当に堪らない!特におまえは俺のお気に入りだったから、顔だけでも残して頂けるよう頼んであげてもいいぞ?」

陽華は吐き気を抑えるのに必死だった。今のは人間が発した言葉なのか。まだ綺麗に食べてくれる分、鬼の方がマシなんじゃないかとさえ、思えてくる。怒りで扉を蹴破ってやろうと思う陽華の前に、義勇の渾身の蹴りが扉を破壊した。

「な、なんだ、貴様ら!!」

驚いた男が後ろに尻餅をついた。

「生憎、おまえみたいなクソ野郎に、名乗る名前は持ち合わせていない。」

義勇はそう言うと、男の横っ面を思い切り蹴飛ばした。地面に叩きつけられ、鼻血を出してはいるが、まだ意識を保っているようだった。男は部屋の奥の暗がりに、這いずりながら近づくと、

「ぐそっ!…頼む、助けてくれ。」

暗がりにいる誰かに声を掛けた。暗がりで何かが動いた気配があり、その奥から鬼が姿を表した。しかしその刹那、義勇の刀は鬼の頚を狩っていた。鬼の頚が転がり、男の前までくると男は叫び声を上げた。


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