第2章 異変
陽華が天元と合流し、お屋敷に着くと、置いてきた不死川実弥以外の柱たちは、全員揃っていた。
岩柱・悲鳴縞行冥、蟲柱・胡蝶しのぶに、冨岡義勇。
現炎柱の煉獄家の当主は、ここ最近柱合会議に現れていない。きっと今日も欠席だろうと、予想された。
陽華は仲良しの胡蝶しのぶの隣に立つと、庭の端の方で一人佇む義勇に視線をやった。
いつもそうだ。自分を柱だと認めていない義勇は、柱達と肩を並べることも憚られると、思っているのだろう。
陽華は義勇に話しかけようと思ったが、すぐに実弥も着いて、お館様がいらしたので機会を失った。
義勇には前々から手紙を送っていた。会議の終わったら、二人で会いたいと。しかし、その返事はまだ貰えてない。
陽華はソワソワしながら、会議に挑んだ。
会議が終わると、義勇はいつもの通り、すぐにその場から出ていった。陽華は義勇を追いかけたかったが、お館様にお話があったので、そちらを優先した。
お話が終わり、お屋敷を出ると義勇は少し行ったところで、陽華を待っていてくれた。
「義勇、待っててくれたの?」
陽華が嬉しそうに近づくと、義勇はコクリと小さく頷いた。
一緒に歩き出すと、陽華は義勇に問いかけた。
「今日はこれから、どうするの?」
「今日は自分の家に泊まって、明日朝一番で、担当区域に帰る。」
義勇がいつもの調子で答えると、陽華は嬉しそうに微笑んだ。
「そっか。じゃ、それまで一緒にいられるね?」
陽華が顔を綻ばせると、義勇は嬉しいとも取れない表情で、陽華を見つめた。長年の勘で、それを肯定と捉えた陽華は、義勇に提案した。
「私、言ってみたいところがあるんだ。」