第13章 ※潜入任務
陽華はしばらくの間、怒りに黙っていたが、思い出したように義勇を見た。
「…そういえば、まだ部屋があるみたい。今日、掃除中に見つけたの。扉は偽装されてたけど、確実に扉だった。みんなには絶対に近づくなって言われた部屋だったし。」
「なるほど、怪しいな。じゃ、屋敷が寝静まったら、確認しに行くか。」
「うん。でも、それまで時間があるね。私、仕事に戻るね。」
陽華はベッドから立ち上がり、スカートの形を戻すと、扉の取っ手に手を掛けた。それを義勇が呼び止める。
「陽華、おまえ…大丈夫か?」
「ん?」
「あんなヤツに、その…触られたし、」
「心配してくれてるの?」
「…当前だろ。あんな汚い生き物に触られたら、おまえが穢れる。」
陽華は義勇に「ありがとう。」と言うと、少し考えるような素振りを見せ、上目遣いで義勇を見た。
「……じゃあ、義勇が浄めてくれる?」
そう言うと、陽華は腰布を足の付け根まで捲し上げ、白く引き締まった太腿を顕にし、義勇に見せつけた。
「なっ!!…俺達は、任務中だぞ?」
「だって、方針も決まったし、時間もあるし…、」
そう言いながら、義勇に近寄ると身体に密着させた。
「それにさっき助けてくれた時、…めちゃくちゃ格好良かった。」
陽華が義勇の背中に手を回し、義勇に抱きつくと、身体を擦り寄せる。すると、恐らくサラシで抑えられていない、柔らかい感触が腹に当たった。
(なんだこれ、俺は…試されているのか?)
頭の中で理性が本能と戦っていた。浮いた手がプルプルと震えている。
でも、一度ならず二度まで知った快感は、そんなにすぐには忘れられない。義勇はフーッと長く息を吐いた。
(まるで発情期を迎えた獣だな…。)
そして長い葛藤の末、義勇のその震える手は、陽華の背中に回されていた。