第13章 ※潜入任務
その後、落ち着いた二人は、そのまま部屋で作戦会議に移行した。
「鬼の匂いはしたか?」
「んー、微かに匂うんだけど、決定的じゃない。あの当主も普通の人間だし。」
「共謀してる可能性が高いな。」
鬼の中には、人間と組んでいるのもいる。恐怖や金品などで人間を操り、餌になる人間を確保する。人目を気にして自分で狩りをするより、安全で効率的だ。
「身寄りのない使用人ばかり雇っているな。いなくなろうと誰も気にしない。それに…、」
義勇が陽華の顔を厳しい顔で見た。
「使用人の娘の中には、あのクソ野郎の餌食になってる者もいるようだ。」
「本当に許せない!!」
陽華が握った拳でベッドを殴り付けた。