第1章 駆け引き
美雪のその話しを聞いて、僕は少し考える。
竜崎はLという立場から、あまり人とは、深く関わったりしない。そして、美雪のその雰囲気に気付いているのにも関わらず、何故(なぜ)彼女だけ側に置いているんだ…?
そこまで考えて、ある結論に行き着く。なるほど…竜崎本人も、彼女の事が、少なからず気になっている…。と言う事か…。その事に思い当たった僕は、これからの事を思い、自然と笑いが漏れた。
なるほど、ようやくあいつを殺す事が出来るかも知れない1つの手段を見付けられた…。と言う事か…。良いだろう竜崎…。
そこまでお前が彼女を気に入っているなら、もし僕が彼女を手に入れる事が出来たら、さぞ悔しい思いをする事だろう。
月は冷笑を浮(う)かべた。
なら、お前を消す為。何が何でも彼女を僕の物にしたくなった。竜崎…お前が気に入った物は、僕が手に入れる!
月【さぁ、勝負といこうじゃないか!】
どちらが先に彼女を手に入れるか…。僕は勝負の事を考え、笑いが込み上げてくるのを感じた。それから、僕は彼女に色々話し掛けるようになった。
月『あっ、美雪さん!今日知り合いから、食事の無料券をもらったから、良かったら一緒にどう?』
美雪『それはちょっと、気になるかな?』
と美雪と月が話しているのを見掛けた竜崎…。
最近、やたらと夜神月が、美雪に話し掛けたり、必要に誘いを掛けたりする事が多くなっている。そんなやり取り事態、今までは、無いに等しかった。なのに、最近そんなやり取りを頻繁(ひんぱん)に見掛けるようになった。
そんな二人を見る度に、私は何故かイライラする様になった。今まではそんな事、思ったりした事は無かったのに…。最近の夜神月の行動や、言動を見るたびに「どうしてそんなに美雪に誘いをかけるんだ。」とそう言いたくて仕方がない…。
それに、私の中では、夜神月がキラであると思っているだけに、そんな夜神月と美雪が、一緒にいる事が、酷く気に掛かって仕方がない。