第2章 物語の外側
空がだんだんと白んでくる。
寝静まっていた街が朝の光に照らされ色付いていく。
もう少しすれば仕事に向かう者や朝の日課をこなす者で通りも賑やかになるだろう。
換気のために開けていた窓を静かに閉め、サラは姿見の前に立った。
おかしな所がないかもう一度確認する。
サラの身を包んでいるのは白を基調とした制服。
ぴしりと着こなしたサラの背では1つに結んだ濃紺の髪がさらりと揺れる。
鏡の中の瑠璃色の瞳と目が合うと、サラは景気づけとばかりに両頬を打った。
「……よし!」
さぁ、戦いの始まりだ。