第1章 「夢の中のアイツ」
「ホール」
中央デパート前広場
AM4時30分。
私とお坊さんは3か所目の休憩所へ来た。そこにはカイマンとニカイドウの姿があった。
「よー!お前が運んでんのかよ。おっせーなあ!待ちすぎて腹と背中がくっつきそうだよ。」
「アルマさん。おつかれさま。事務の方はもういいのか?」
「待ちすぎてどうにかなるのは首だよカイマン。自治会員の手がいっぱいいっぱいでね、頼まれたんだ。」
「すぐに夜食の準備をいたしますね。アルマさん、我々も少し休憩しましょう。ほかの場所はまだ余裕があるそうなので。」
「わかりました。」
あ、そういえば
「先生は一緒じゃないのか?。」
「それが結構前にはぐれちゃってな。」
「まじか。大丈夫かなあ先生。」
「大丈夫だろ。なんせ、自慢のお手製毒ダンゴがあるからなあ。」
「毒ってゾンビに効くのかなあ。」
生きてるかなあ先生。先生に死なれたら私の職場がなくなっちゃうよ。
そんなことを考えてると、カップラーメンができたらしい。
「やっと食えるぜ~!お待ちかねのカップラーメン~っと。」
私たちは設置されてる長机へと移動した。
「ねぇカイマン。ふたりは西も駆除したのか?」
「イヤ?オレたちはずっと東にいたよ。」
「そっかぁ。やっぱり違うか。ふたり並みに強い人の仕事だったらしいんだけど...。」
「うまそうだなあ、それ!」
「「「ん?」」」
聞きなれない声が私たちに向かって飛んできた。声の方を見てみると、気味の悪い心臓のマスクをした大きな男とさらに大きな、No.1と書かれたジャージ姿の男。向かって左隣には長っ鼻の仮面をつけた男と骸骨のマスクをかぶった女の子がこっちを見ていた。
「心臓!?」
ニカイドウが驚いたように言った。心臓になにか意味があるのだろうか。あんな悪趣味なマスクを被るあの人の気が知れないよ。
長っ鼻の男がカイマンを指さして何か言っている。もしかしたらカイマンに殺られた魔法使いの連れだろうか。
以前、長っ鼻の魔法使いに逃げられたと嘆いていたことがある。あ、骸骨っ子の後ろにゾンビ...。