第7章 NOVE
―――え?
「あら、そういう意味で聞いたんじゃないんだけど。・・・あ!火かけっぱなしだった。ちゃっちゃと注文品だけ作ってくるわ。
まだ、帰らないわよね?」
美しいリカさんの顔が近付く。
「あ、はい。」
完全に気圧されてびくびくしながら返事をすると、彼・・・彼女はニコッとスマイルを作った後暖簾の奥に消えていった。
「ハルって・・僕のことだよ。」
リカさんが居なくなって急に静かになったところに、ぽそっと頭の上から声が落ちてくる。
(そっか、春樹くんだから、ハルか。)
と、・・・・・それよりも、さっきおかしなこと言ったよね。
「ねぇ、今・・。黒崎くん・・・今日それ、知っててわざと聞いたの?」
「え?」
私が、”はい”って言うの分かってて聞いたの?
・・・神代君の事好きかって??