第11章 束縛
ねぇ、早瀬さん。
貴方は分かってないんだ。
今までこの世界にどれだけの命があったと思う?
今この瞬間に世界にはどれだけの命があると思う?
今この国だけでもどれだけの人が居ると思う?
今、大学にだって何人の人が居ると思う?
その中で君はどれだけの人と「出会った」かわかる?
そしてその運命的に出会いを果たした“唯一”の人達の・・・・何人と今までに「サヨナラ」をしてきた?
―――君を通り過ぎて行った人達。
僕は決めてるんだよ。
絶対にそんな人にはなりたくないって。
君のそばにずっといたいんだ。
どんな形だっていい。
・・・その為に必要なのは距離感。
僕は君との距離を保つ。
それには君が僕を意識しないことも大切なんだよ。
でも。
君がそれを壊そうとしてくると、僕だってブレる時もある。
僕の身体の下にある君の姿を、このまま全てから覆い隠せてしまえたら・・・と思う。
その唇をキスで塞いで、声すら誰にも聞かせたくない。
ホントウハネ
ボクトキミイガイノモノハスベテショウメツシテモイイッテクライキミノコトダケヲオモッテイルヨ
また・・
熱くなって暴走しそうになる心を抑えて、自身を無に帰す。
今はただ、ひたすら彼女には快感を。
俺の与える刺激だけを感じる彼女が腕の中にあるこの時を・・・幸せに思う。