第6章 曖昧なグレーゾーン
・・・ピピ・・・ピピピピ・・・
聞いたことのない音がする・・・・・・
!!!
今!何時!??
がばっと起き上がって、枕元の時計を確認する。
1限目、まだ間に合う!!
「よし!!」
身支度をして、気合いを入れる。
黒崎くんを起こさなくては。
雪菜は突っ伏して死んだように寝ている、黒崎にそっと近づいた。
・・・だめだ、完全に熟睡してる。
私を起こした音は黒崎君の携帯のアラームだって言うのに、彼自身は全く聞こえてないかのように反応しなかったし・・。
困ったな。何か鞄に入ってなかったっけ・・・
黒崎は起きない人だ。
寝起きが悪いとか機嫌が悪いとかではなくて、自分の脳が目覚めるまでは、まるで意識がどこかに言ってしまったように起きてくれない。
あった!!
勝手に黒崎君の鞄をごそごそやっていたらチョコレートが入っていた。
すぐさま黒崎君の口の中に3粒とって放り込んでやる。
もくもく・・と彼の口元が動いた。