第5章 水の音
この人は僕のお気に入り。
雨の日に見つけた、
何を考えているのか手に取るように分かりやすい人。
そして、
傷ついてはちゃんと僕のところに戻ってくる人。
・・・・それが嬉しくて、
僕はわざと傷ついてくるように仕向けてる。
これはきっと気付けなかったあの日の幻想。
くりかえし、くりかえし、
君が沈んだ顔を見て、
そして君がまた笑う顔を見て安心するんだ。
この気持ちが歪みすぎていることなんて僕も分かってる。
だから・・・
一線だけは越えない。
「そろそろ苦しくなってきたかな?中でイかせてあげるよ。」
最中、僕が服を脱ぐことはない。
最後まではしない。これは僕が決めたルール。
沢山鳴いて、鳴いて、僕の手で与えられる全てをあげる。
あの日、もう二度と人を愛することはないと思っていた。
けれど君は現れたんだ。
一生、君のトナリに。
・・・僕の大切な人。