第5章 水の音
「んっ・・・はぁっ」
苦しくなって息をするのに、すぐに塞がれる。
舌が絡み合っては、唇を舌でなぞられ愛撫されて。
部屋の空気は静寂を保つのに、私と彼が繋がっている部分だけが熱を帯びて蠢く。
きもち・・いい・・・
くちゅっと乾いた部屋に響いた音が、脳内まで響き渡り、何も考えられなくなる。
ゆっくりじっとりと味わうように食べられていく感覚。
上を向かされ、彼の唾液が流し込まれてもそれをこくりと飲みこんでいく。
きもちがよかった。
さっきまで何かに苦しかったはずなのに・・
もう、、なにも考えられない。。。
理性が溶けてなくなってしまっていた。
もう、引き返せない。
こうなってしまうと、
黒崎君だとか、私が誰なのかとか。
私たちの関係が何で、今していることがどういうことなのか。
そういったことが一切どうでもよくなってしまう。
黒崎君は、麻薬のようだった。
「あいかわらず、いやらしい顔して」
ちゅっ・・とまた唇を啄ばむように吸われる。。