第5章 水の音
キュッという音とともにシャワーが止まる。
「つーか、頭悪い奴って本当にどこでも居るんスね。」
顔の水を手で払って黒崎君をみると、彼が怒っているように見えた。
「怒ってるの?」そのまま聞いてみる。
「かなりイライラしてます。僕、頭悪い奴嫌いですから。」
ピシャリと言い放って黒崎くんは出て行く。
ちょっと、黒崎くん。…私も…そんなに頭よくないんだけど。
頭がぼんやりとして顔が熱い。
くらくらして、何が苦しかったのかがわからなくなってくる・・。
自分の頭の悪さはわかってるけど…いつもに増して思考処理能力が落ちてるな。