第4章 そこから見えているセカイ
とりあえず、彼をなだめるような形で必死で説得したのを雪菜は鮮明に覚えている。
友人が主催したものに付き合うだけであって、好んでいくわけではないことを伝えるうち、徐々に神代の熱は収まり・・・
今回は有香に頼んで『合コン』ではなく『飲み会』という名目に変えてもらう・・・と言うところで幕を下ろすした時だった。
ずっと黙ってポッキーを食べてた黒崎君が一言。
「言い方の違いだけじゃないすか。」
と小さく突っ込みを入れたが、私が瞬時に叩いて止める。
「言い方が捉え方の違いに変わってくるから大事な事なんだよ。」
と神代君はつぶやいて。
「『合コン』とか、ガツガツしてる感じが似合わねぇからお前はそういう言葉二度と使うな。」
という彼の締めの言葉で幕を閉じた。
・・・。
こう言われてしまった以上、「今日有香たちと合コンです。」なんて口が裂けても言えない。