第3章 友人カミシロ
「その反応・・・2人とも聞いてないな。」
「神代君の好きなアーティストってレゲェとかすっごいハイテンションな曲ばっかりなんだもん。」
「・・・確かに、うるさいのが多い。」
「うるさいってなんだよ。明るい方が元気出ていいじゃん。まぁ、とにかく、今回すげーよかったんだよね。焼いてくるから聞いてみてよ。」
「ん、分かった。」
「いや、僕はいいです。」
今度は全く反対のセリフ。
テンションの高い神代君に対して少し・・いや、黒崎君に至ってはかなり薄い反応なのに、神代君はニヤッと笑った。
「んなこといってていいのかよ。今度のサマーライヴ、そのバンドとお前ら好きなバンドも出るぞ。」
「マジで?」
「ウソっ!」
今度は言葉は違うけど、同じ感情の入ったセリフ。
既に携帯に意識がいっていた黒崎君がパッと携帯を机に置いて神代君を見る。
隣で、黒崎君のテンションが一気に上がったのが分かった。
―もちろん、私もだ。
「今日、ネットで発表された。」
マジか―と、笑う黒崎君に、ドヤ顔の神代君。
「こりゃ、行くっきゃないね!!!」
と、パフェの最後に残っていたイチゴを口に放り投げてから私はニッと笑った。
「「おう!」」
と、今度は神代君と黒崎君が同時に答えた。