第3章 友人カミシロ
・・・整った顔、漫画の主人公みたい。
「なに?人の顔じっと見て。」
黒崎君が猫なら神代君は人懐っこい犬のようなイメージだな、と雪菜は思う。
笑うとくしゃっとなる目元をみるとこれが甘いマスクとでも言うのだろう。
「ううん、神代君てほんと字が綺麗だよね。」
雪菜は黒崎から手渡された糊をプリントに塗りたくりながら答えた。
「そう?っていうか、貼るだけじゃ覚えないだろ。」
そう答えてよくよくプリントを見れば、内容も分かりやすく書いてあった。
賢い人はノートが美しいというけれど、あれは事実だ。
「ちゃんと後で見るってば、本当にありがとうね。」
「あ、来週テストって言ってたから絶対休めないぞ。なんなら俺、迎えにいくから。」
「う、ついに来たか、テスト・・・。
あの先生小テスト好きだよね。作るの面倒じゃないのかなぁ。」
「そこは、先生の心配してる場合じゃないから。」
と、溜息をつく神代くん。
「う・・・はい。」
「それよりも、だいたいなんで今日休んだの?」
あ、また来た。その質問。