第2章 親友クロサキ
散々迷った挙句、ノーブラで服を着ることを躊躇して、おとなしくバスローブを着る事にした。
「ふー、温まっちゃった。このバスローブ、ふっかふかで気持ちいいよ。」
黒崎君はベッドに腰掛けて、隣に座るよう促した。
「黒崎くんもプール入ってきたらよかったのに、ちゃんと私テレビみて待ってるよ。」
今さら恥ずかしくなって、それを隠すためかどんどんと早口で言葉がでてくる。
笑いかけると、黒崎君は真顔だった。
「なんで笑ってんの?」
「・・・・え」
「なにがおもしろい?」
「・・・・だって・・・」
「俺しか居ないんだから。息してくれる?」
・・・・。
「へへ・・私、息してるよ。」
昨日からの黒崎君の謎の言葉に戸惑いながら答える。
「早瀬さん今どこにいんの?
・・・どっか、沈んでんじゃないの?」
眼鏡越し、真剣な目で見つめる黒崎君の言いたいことが、だんだんと近づいてくる。
「息しないと、苦しくて、死ぬよ?」