第2章 親友クロサキ
「付き合ってる人も、好きな人もいないけど、、店長の事も嫌いじゃないけど・・・・・お付き合いできません。って、もう一度断ったよ。」
「・・・・・・は?」
急に変な声を出して、こっちを向く黒崎君に私も驚いて声が出た
「・・・・・・え?何?」
「でなに、とりあえず付き合ってみようとか言われた訳?」
「・・・・。」
―――まさにその通りだ。
「何驚いた顔してんスか?そんなの適当にあしらえばいいって助言しましたよね?」
「適当って・・・適当って具体的にどうしていいか分からなかったんだもん、だからそのまま・・」
情けない顔をしているであろう私を見て、黒崎君は無邪気に笑った。
「とりあえず付き合うんですか?」
「ううん、・・・恋・・・してないから。
・・・・“とりあえず”っていうのはできない。」
店長の事は好きでも嫌いでもない。
年齢も離れてるし・・・いや、それ以前の問題だ。
付き合うとかそんなこと微塵も考えられなかった。
「じゃあ、どうするンすか?」
「・・・・。もういちど、話してみる。・・うん、それしかないし。」
悩んでたってどうしようもない。私は黒崎君に笑って見せる。
「別に、話なんてしなくても明日からバイトやめていかなきゃいいだけの話ですよね。」
「そんなの!みんなに迷惑掛かるし、なんか逃げるみたいで店長にも悪いでしょ。」
また馬鹿にしたように笑うかと思っていたけど、黒崎くんは急に真面目な難しい顔をしていた。
「さっ、そろそろ行こっか。
あんまりここに居ると皆が・・・