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メメント・モリ

第10章 どこにも行けない想い


「モンブラン、ここの店の最高にうまいんだけど食べる?」


モンブラン。

私の大好きなケーキだ。


「食べる!!」



「言うと思った。」

そう言って彼はさわやかに笑う。


その笑顔に答えられず俯く。






・・・まんまるいモンブラン。

こげ茶色のクリームの真ん中には金箔が乗ってる。


ぐぐっとテンションが上がってきた。


テイスティングターイムッ!!



濃厚な栗の味。さっぱりした生クリーム。
ふわっとした口どけの、甘さ控えめのテイスト。


「おいしいっ」


めちゃくちゃに美味しかった。


「コウ、これ、すっごくおいしい!!」


興奮して神代君に伝える。











「すげー、かわいい。」














そういって珈琲を飲んだ彼と目が合う。

ぐっと締まる胸・・・



セイのときとは全然違う。


ぐっと心臓を掴まれるような痛み。

・・・痛い・・罪悪感。




「雪菜のそういう嬉しそうな顔、すげー好きだよ。」





神代君の顔が見れない。。

嬉しそうな顔・・・

後どれだけの間、こうして彼と笑いあえるのだろう。

彼が私に笑いかけてくれるだろう。

本当に…

本当に…わたしのこと…好きなの?


心の奥で泣きそうになった。
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