第2章 【第1章】Y学園にはミステリアスな先輩がいる!?
「…私は、チユが操られている可能性は低いと考えている」
「へ〜…幼なじみだから?まあ、贔屓(ひいき)したい気持ちは分からなくもないけど」
「贔屓ではないが…理由は2つある。1つは、彼女のYSP能力がエイリアンを退(しりぞ)けたからだ」
龍我チユという生徒はなんとYSP能力所持者らしい。
彼女の体から生まれたその力は、まるで光のバリアのように彼女とラントをエイリアンから守ったのだという。
当時のラントはYSP能力の存在を知らなかったので、奇跡が起こったのだと思っていた。しかし今思い返せばあれはYSP能力だったに違いない。
「それは俺も知ってます。俺はその力で怪我を治してもらってたんで」
「なに!?メラ、お前…園等先生と2人きりになるチャンスなのに、もったいないぞ!?」
「そっち!?」
「そういう問題なの…?」
ラントとメラから聞いた新事実に驚く一同。園等先生に邪(よこしま)な思いを抱くジンペイに突っ込むマタロウとコマ。
「それにしても守ることと治すことに特化したYSP能力なんて、初めて聞いたわ」
「そうだよ!これはYSPクラブにヒーラーポジションが来る流れでは!?」
新たなYSP能力に驚きを隠せないフブキとテンションの上がるマタロウ。
「そして2つ目の理由は、私がチユに対しエイリアンウォッチを使用したからだ」
「「えーっ!!?」」
「使用したって…人間に化けたエイリアンを見破る能力を使ったってこと?」
信じられないというチアキに頷くラント。
「その時の彼女はなんともない様子だった。来星ナユの反応と比べれば、結果は一目瞭然だ」
「そうか…」
ラントの話を聞き安堵するメラ。
友達のあらぬ疑いが晴れてホッとした様子である。