第8章 【第6章】来星ナユ、ついに対面!!
「…とにかく今は様子を見ましょう。そろそろ下校時刻だし、あなた達は帰りなさい。チユさんは学園長に説明して、保健室に寝かせておきましょう」
エイリアンの力は前代未聞の未知の力である。園等は怨霊や妖怪ならともかく、エイリアンに関しては専門外であった。
園等は学園長に報告するため、保健室を出ていった。
結局この件は先送りとなり、メラたちは宿舎へと帰ることに。
「あっ、そういえば…明日小テストがあるって臼見沢先生が言ってた!」
「私も今作っているメカが途中なのよね…チユ先輩、また明日来ますからね!メラ先輩さようなら!」
「…ああ…」
と、コマとフブキも一足先に保健室を出ていく。
メラは後輩たちを見送った後、静かにチユの眠るベッドへと近づく。
そしてそっとチユの手を取って手袋を取る。
あらわになった彼女の手のひらは、いつもと変わらず人の手とかけ離れた形をしている。
メラはよく昔の絵巻物やテレビで見る日本の龍の姿を思い浮かべた。
3本に別れた指、短く鋭い鉤爪はまさにそれの手足のようだった。
本人は「足も同じようになっている」と言っていた。その細くか弱い足も、同じように変化しているのだろう。
チユの手を握りながら、メラは思いにふける。
「(あの時は間に合ってよかったと思ってたが…全然間に合ってねえじゃねえか…!!)」
自分もジンペイたちと行動していれば、気付くのが早かったかもしれないし、自分がチユに着いていくことが出来たかもしれない。
しかし、「もしあの時〜していれば」など過去のことを振り返っても今が変わるわけではない。
メラは静かに手を握り、チユが目を覚ますことを祈った。