第8章 【第6章】来星ナユ、ついに対面!!
妖怪ヒーローたちが怨霊たちの注意を引いてくれたおかげで無事に中に入ることができたメラと獅子黒。
最上階へ向かいつつ、メラはここに来ることになった原因である出来事を思い出していた。
時は数十分前。妹である雷堂ヒノコと買い物に付き合う約束を済ませた後、宿舎に帰ろうか迷っていたメラに、複数人の会話が聞こえてきたのだ。
_首尾はどうだ
_ナユ様はチユ様と一緒に風紀タワーに居(お)られる
「!!(今…なんつった!?)」
敵である来星ナユがチユと一緒に、敵の根城である風紀タワーにいる、という会話に驚愕するメラ。
即座に会話している生徒たちに突撃しようとしたメラだが、すんでのところで思いとどまり獅子黒を呼び出す。
「…獅子黒」
「はい、親分」
背後に現れた獅子黒に、生徒の会話を聞いてくるように指示を出す。
獅子黒は怨霊なので普通の生徒には見えない。恐らくバレることはないだろう。
そして数分後。獅子黒はメラの元へ戻ってくると、驚愕の事実を告げる。
なんと、来星ナユがチユを放送で風紀タワーに呼び出したらしい。しかもご丁寧に、他の風紀委員を追い出して。
追い出すということは、見られたくないことがあるのと同意である。
チユの危機を感じたメラはすぐさま風紀タワーへ走った。もちろん獅子黒も着いてくる。
「(チユ…頼むから無事でいてくれ…!!)」
メラの全力疾走はまさに疾風の如く。ほぼ反対側の位置にいたメラはすぐ風紀タワーに到着した。さすがはスポーツ基準入学者である。
「_親分っ!!」
風紀タワーに入ろうと駆けるメラだったが、獅子黒の呼びかけで咄嗟に横へ飛ぶ。するとメラが先程いた所に黒い影が飛び込んできた。